カルサイトの写真

カルサイト

カルサイト

Calcite

  • 主な色透明
  • 色の印象透明・白・無色

地球上でもっともありふれた鉱物のひとつでありながら、驚くほど多彩な表情を見せる石です。

最終更新日:

QUICK GUIDE

カルサイトの早わかり

どんな石?
地球上でもっともありふれた鉱物のひとつでありながら、驚くほど多彩な表情を見せる石です。
素材・系統
方解石(カルサイト)/炭酸塩鉱物
主な色
透明
モース硬度
3
主な産地
世界各地(アイスランド、メキシコ、中国等)
取扱いの要点
酸に弱く、酸性の液体に触れると表面が溶けることがあります。硬度も低いため、衝撃には注意が必要です。
鉱物としての情報

鉱物としての情報

単一鉱物・鉱物種

ページ名・流通名 カルサイト
鉱物種・変種名 方解石(カルサイト)
英名 Calcite
分類 炭酸塩鉱物
系統 炭酸塩鉱物
化学組成 CaCO₃ C Ca CaCO3 O
結晶系 三方晶系
モース硬度 3
比重 2.71
光沢 ガラス光沢
主な産地 世界各地(アイスランド、メキシコ、中国等) 世界各地 メキシコ

※鉱物データは一般的な代表値です。産地や個体により異なる場合があります。

特徴・意味

特徴・意味

カルサイトは、石灰岩や大理石、鍾乳洞の鍾乳石の主成分でもある炭酸カルシウムの結晶で、地球上でもっとも広く分布する鉱物のひとつです。無色透明なものは「アイスランドスパー(氷州石)」と呼ばれ、光を通すと像が二重に見える複屈折という珍しい性質を持つことでも知られています。

名前の由来・歴史・文化

名前の由来・歴史・文化

17世紀、デンマークの学者ラスムス・バルトリンがアイスランドスパーの複屈折を報告したことをきっかけに、この石は光学研究の重要な材料になりました。19世紀には、この性質を利用した「ニコルプリズム」が作られ、偏光顕微鏡の発明につながるなど、装飾用途を超えて科学の発展を支えてきた石でもあります。バイキングが曇りの日に太陽の位置を知るための「サンストーン」として使ったという説も伝えられています。 中国では鍾乳洞の鍾乳石や石筍として、日本でも各地の鍾乳洞に見られる石灰華として、カルサイトはごく身近な自然の造形を作り続けています。装飾用に流通するカルサイトは、こうしたありふれた成分が、条件次第で美しい結晶に育った特別な姿だといえます。 1669年にデンマークの科学者エラスムス・バルトリンが、アイスランド産の透明な方解石(アイスランドスパー)を通して物を見ると像が二重に見える現象を初めて学術的に報告し、これが複屈折という光学現象の発見として、後の結晶光学の発展における重要な一歩となりました。ニコルプリズムという偏光装置の材料にも長らく方解石の透明な結晶(アイスランドスパー)が使われ、顕微鏡や光学機器の発展を陰で支えてきた歴史があります。

込められてきた願い

込められてきた願い

透明で純粋な輝きから、気持ちを整え、物事をクリアに見つめ直したいときのお守りとして親しまれています。 二重に像が見える複屈折の性質から、物事を多角的に見つめ直したいときのお守りとしても語られます。

日常での楽しみ方

日常での楽しみ方

光にかざして、内部を通る光がどのように屈折するかを観察するのも楽しみ方のひとつです。文字の上に置くと二重に見える様子を試してみるのもおすすめです。

選び方と購入前の確認点

選び方と購入前の確認点

透明度が高く、ひび割れの少ないものが上質とされます。 色のバリエーションも豊富なので、好みの色合いを選びましょう。 産地によって結晶の形や色合いに個性があるため、自分の好みに合った産地のものを探してみるのも楽しみ方のひとつです。 複屈折を確かめたい場合は、透明度の高い結晶を文字の上に置き、文字が二重に見えるかを試してみるのも楽しみ方のひとつです。 結晶の透明度が高く、複屈折がはっきり観察できるものが上質とされます。 実験や観察目的なら透明度重視、インテリア用なら色や形の個性を重視して選ぶとよいでしょう。 価格は、状態・サイズ・見た目の品質・処理の有無・由来資料・加工品質・販売条件によって変わります。購入時は価格だけで品質を判断せず、商品説明、処理開示、寸法・重量、返品条件を確認してください。

一般的に行われる処理

一般的に行われる処理

染色、樹脂含浸、接着、表面コーティングがあります。「オニキス」「アラバスター」等の流通名で他素材と混同される場合があります。

名称区分・鑑別名・類似素材

名称区分・鑑別名・類似素材

カルサイトは炭酸カルシウム鉱物で、強い複屈折と希酸への発泡が特徴です。アラゴナイト、ドロマイト、石膏、ガラスと区別します。

名称・鑑別の補足:鉱物種名・宝石変種名・商業名は同じとは限りません。このページの鉱物学上の表示は「方解石(カルサイト)」で、鑑別書では鉱物種、変種、天然/合成の別、検出された処理を確認します。

洗浄・光・熱・薬品・加工時の注意

洗浄・光・熱・薬品・加工時の注意

硬度3で完全な劈開があり、酸、熱衝撃、摩擦に弱いです。酢・酸性洗剤、超音波、スチーム、浸け置きを避けます。

具体的な取扱い:超音波・スチームは、亀裂・含浸・充填・コーティング・接着がなく、その石種で安全と確認できる場合だけ使用します。不明なら使いません。薬品、急熱、長時間の直射日光を避け、ぬるい石鹸水が安全と確認できる場合だけ短時間洗浄します。

品質5項目と鑑別書の確認点

品質5項目と鑑別書の確認点

透明度、色、結晶形、劈開亀裂、染色・充填を見ます。鑑別書では方解石、天然色、処理、複合材の有無を確認します。

品質確認の順序:①色、②透明度、③内包物と表面到達亀裂、④カット・研磨、⑤加熱・照射・染色・含浸・充填・コーティング等の処理開示を分けて確認します。高額品は販売名だけでなく、鑑別書の鉱物種・変種・天然/合成・処理コメントを照合します。

お手入れ方法

お手入れ方法

やわらかい布で拭いて保管します。硬度が低いため、硬い石とこすれないよう注意してください。

取扱い・安全上の注意

取扱い・安全上の注意

酸に弱く、酸性の液体に触れると表面が溶けることがあります。硬度も低いため、衝撃には注意が必要です。

カルサイトのよくある質問

カルサイトのよくある質問

二重に見えるのは偽物ですか?

透明カルサイトの強い複屈折による代表的な現象です。

酢で真贋判定できますか?

石を傷めるため商品への酸試験は行わないでください。

水に溶けますか?

水だけで急に溶けませんが、酸性液には弱いです。

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この石の写真

カルサイト(加工した石) 加工した石
写真: Arpingstone / Wikimedia Commons (Public domain)
カルサイト(原石) 原石
写真: Robert M. Lavinsky / Wikimedia Commons (CC BY-SA 3.0)

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