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エンスタタイト

Enstatite

  • 主な色
  • 色の印象緑・褐色・無色

ハイパーシーンと同じ輝石グループに属する、マグネシウムを主成分とする鉱物です。

最終更新日:

QUICK GUIDE

エンスタタイトの早わかり

どんな石?
ハイパーシーンと同じ輝石グループに属する、マグネシウムを主成分とする鉱物です。
素材・系統
頑火輝石(エンスタタイト)/ケイ酸塩鉱物
主な色
モース硬度
5〜6
主な産地
スリランカ、ミャンマー、南アフリカ
取扱いの要点
特別な注意は要りませんが、他の石と同様、強い衝撃は避けてください。 鉄の含有量によって色や輝きが変わるため、同じ鉱物でも標本ごとに表情が異なります。
鉱物としての情報

鉱物としての情報

単一鉱物・鉱物種

ページ名・流通名 エンスタタイト
鉱物種・変種名 頑火輝石(エンスタタイト)
英名 Enstatite
分類 輝石グループ(斜方輝石) 輝石グループ
系統 ケイ酸塩鉱物
化学組成 MgSiO₃ Mg MgSiO3 O Si
結晶系 斜方晶系
モース硬度 5〜6 5 5.5 6
比重 3.2〜3.3
光沢 ガラス光沢〜真珠光沢
主な産地 スリランカ、ミャンマー、南アフリカ スリランカ ミャンマー 南アフリカ

※鉱物データは一般的な代表値です。産地や個体により異なる場合があります。

特徴・意味

特徴・意味

エンスタタイトは、輝石グループに属するマグネシウムケイ酸塩鉱物で、鉄を多く含む中間種であるハイパーシーンや、さらに鉄が多いフェロシライトと連続的につながる「エンスタタイト・フェロシライト系列」の、マグネシウムに最も富んだ端成分にあたります。緑色から褐色まで幅広い色合いを示します。

名前の由来・歴史・文化

名前の由来・歴史・文化

スリランカやミャンマー、南アフリカが主な産地として知られ、南アフリカではキンバーライトという特殊な火成岩の中からクロムを含む緑色の美しい結晶(クロムエンスタタイト)が見つかることもあります。また、一部の隕石にもエンスタタイトが主成分として含まれており、太陽系の初期の姿を伝える鉱物としても研究されています。 南アフリカのキンバーライトから見つかるクロムエンスタタイトは、地球のマントル、つまり地下150キロメートル以上もの深さから、ダイヤモンドと共にマグマによって一気に地表まで運ばれてきたと考えられている特別な結晶です。地球の奥深くの様子を直接知ることができる数少ない手がかりのひとつとして、地球科学の研究でも重視されています。 輝石グループの中でもエンスタタイトは特にマグネシウムに富む端成分として位置づけられ、鉄を含む変種であるフェロシライトとの中間に様々な組成の鉱物が存在する、成分の連続的な変化を示す好例です。

込められてきた願い

込められてきた願い

大地の奥深くから生まれる強さを持つことから、着実な成長や、揺るぎない土台の象徴として親しまれています。 地に足をつけて着実に前進したいと願う人のお守りとしても選ばれています。

日常での楽しみ方

日常での楽しみ方

カボションカットやカット石として、透明度と色の濃さを基準に選ぶとよいでしょう。 緑がかった結晶を光にかざすと、素朴でありながら奥行きのある輝きを楽しめます。

選び方と購入前の確認点

選び方と購入前の確認点

透明度が高く色鮮やかなカット石は相応の価格になりますが、一般的な標本であれば比較的手ごろに入手できます。 透明度の高い宝石質のものは稀少で宝飾用に、一般的な標本は地球科学の教材や観賞用のコレクションとして選ばれています。

一般的に行われる処理

一般的に行われる処理

エンスタタイトでは無処理品のほか、色や透明度を変える加熱・照射・染色、亀裂充填、含浸、表面コーティングが流通する場合があります。合成石は天然石とほぼ同じ化学組成・構造を持つ人工結晶、模造石は外観を似せた別素材、再構成品は粉末や小片を固めた素材です。実際に一般的な処理は石種ごとに異なるため、販売表示と鑑別書の処理欄を確認します。

名称区分・鑑別名・類似素材

名称区分・鑑別名・類似素材

名称区分:ページ名は鉱物種名、宝石変種名、または商業名として使われます。鉱物学上の表示は「頑火輝石(エンスタタイト)」です。

鑑別書の記載:鑑別機関や標本状態により表現は異なりますが、素材・鉱物の同定名、天然/合成/人工の別、検出された処理が基本です。結果名が販売名「エンスタタイト」と一致するとは限らないため、鉱物名・変種名・コメント欄まで読みます。

産地判定との違い:素材・鉱物鑑別は「何であるか」を調べ、産地判定は内包物、分光、微量元素、来歴資料などから「どこ由来か」を検討する別の作業です。鑑別できても産地を断定できない場合があり、流通名だけでは産地証明になりません。

家庭で確認できる範囲:色、模様、光沢、気泡、接着境界、染料だまり、欠けや錆は観察できますが、真贋・処理・産地の確定はできません。硬度を確かめるために商品を引っかく、酸を付ける、火であぶるなどの傷付け検査は、標本を損ない、有害な粉塵・蒸気を生じる可能性があるため避けます。

名称・鑑別の補足:鉱物種名・宝石変種名・商業名は同じとは限りません。このページの鉱物学上の表示は「頑火輝石(エンスタタイト)」で、鑑別書では鉱物種、変種、天然/合成の別、検出された処理を確認します。

洗浄・光・熱・薬品・加工時の注意

洗浄・光・熱・薬品・加工時の注意

モース硬度は「5〜6」ですが、硬度は傷付きにくさの指標であり、へき開・亀裂・靱性とは別です。
超音波洗浄:原則として使用しません。内部亀裂、層、接着、含浸、錆、脆い共生鉱物を悪化させる可能性があります。
スチーム洗浄:原則として使用しません。熱と急な温度変化により、割れ、変色、接着・樹脂の劣化が起こる可能性があります。
薬品:酸・アルカリ・漂白剤・アルコール・アセトン・研磨剤を避けます。金属を含む標本では錆や変質、生物由来素材・炭酸塩では溶解のおそれがあります。
日光・熱:長時間の直射日光、高温の車内、ドライヤー、暖房器具の近くを避けます。退色、乾燥、酸化、樹脂・塗料の軟化が起こる場合があります。
安全な基本手入れ:処理不明品は柔らかい乾いた布を基本とし、水洗いの可否が確認できる場合だけ短時間のぬるい石鹸水を使い、すぐに十分乾燥させます。

具体的な取扱い:超音波・スチームは、亀裂・含浸・充填・コーティング・接着がなく、その石種で安全と確認できる場合だけ使用します。不明なら使いません。薬品、急熱、長時間の直射日光を避け、ぬるい石鹸水が安全と確認できる場合だけ短時間洗浄します。

品質5項目と鑑別書の確認点

品質5項目と鑑別書の確認点

色:名称・種類として自然な発色、色むら、退色、染料の集中を確認します。
透明度:その石種で期待される透明〜不透明の範囲を踏まえ、濁りと光の通り方を見ます。
内包物・組織:種類の手掛かりになる内包物と、耐久性や見た目を損なう表面到達亀裂を分けて見ます。
カット・仕上げ:正面の見え方、対称性、研磨の艶、縁の欠け、過度な薄さ、穴周りの亀裂を確認します。
処理開示:天然/合成/模造/人工の別、染色、加熱、照射、含浸、充填、コーティング、接着、再構成の有無を販売表示と鑑別書で照合します。
鑑別書:高額品では、販売名だけでなく同定結果、変種・素材区分、処理コメント、重量・寸法、レポート番号を確認します。産地は別の検査・意見であり、記載がない鑑別書もあります。

品質確認の順序:①色、②透明度、③内包物と表面到達亀裂、④カット・研磨、⑤加熱・照射・染色・含浸・充填・コーティング等の処理開示を分けて確認します。高額品は販売名だけでなく、鑑別書の鉱物種・変種・天然/合成・処理コメントを照合します。

お手入れ方法

お手入れ方法

やわらかい布で拭いて保管します。他の宝石との接触を避け、個別に保管することをおすすめします。 輝石特有の劈開があるため、一方向からの強い衝撃には弱く、落下させないよう丁寧に扱います。

取扱い・安全上の注意

取扱い・安全上の注意

特別な注意は要りませんが、他の石と同様、強い衝撃は避けてください。 鉄の含有量によって色や輝きが変わるため、同じ鉱物でも標本ごとに表情が異なります。

エンスタタイトのよくある質問

エンスタタイトのよくある質問

エンスタタイトは鉱物名ですか?

鉱物種名、宝石変種名、商業名のいずれとして使われるかを分けて確認します。このページの鉱物学上の表示は「頑火輝石(エンスタタイト)」です。

家庭で本物か判別できますか?

外観から不自然な色、接着境界、気泡、染料だまり、錆などは観察できますが、真贋・処理・産地の確定はできません。傷を付ける硬度試験や酸・火を使う試験はせず、重要な品は専門機関へ依頼してください。

超音波洗浄やスチーム洗浄は使えますか?

処理、亀裂、接着、共生鉱物が不明な品には使いません。柔らかい布を基本とし、素材と処理が確認できる場合だけ、その石に適した方法を選びます。

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この石の写真

エンスタタイト(加工した石) 加工した石
写真: 石しるべ (石しるべ)
エンスタタイト(原石) 原石
写真: Shannon Heinle / Wikimedia Commons (CC0)

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