PRACTICAL GUIDE
天然石・合成石・模造石・再構成石の違い
「人工だから偽物」「天然なら無処理」という単純な区分ではありません。合成宝石は天然対応物とほぼ同じ化学組成・結晶構造を人為的に作ったもの、模造石は外観を似せた別素材、処理石は天然素材へ色・透明度・耐久性などを変える処理を施したものです。
判断のポイント
- 天然:自然界で形成された素材。無処理を意味しない
- 合成:天然対応物と本質的に同じ組成・構造を人工的に成長させたもの
- 模造:外観を似せた別の石、ガラス、樹脂など
- 再構成:粉末・小片を樹脂等で固めたもの
- 処理:加熱、照射、染色、含浸、充填、コーティング等を施した素材
該当する主な石
同じ石名でも、亀裂、処理、接着、セッティング、産地や標本状態により性質は変わります。個別ページの注意事項も確認してください。
ダイヤモンド
金剛石(ダイヤモンド) 硬度 10
モアサナイト
合成モアサナイト(炭化ケイ素) 硬度 9.25
キュービックジルコニア
酸化ジルコニウム結晶(人工、天然鉱物ではない) 硬度 8〜8.5
ルビー
紅玉(コランダムの赤変種) 硬度 9
サファイア
青玉(コランダムの赤以外の変種) 硬度 9
エメラルド
翠玉(緑柱石の緑変種) 硬度 7.5〜8
オパール
蛋白石(オパール) 硬度 5.5〜6.5
ターコイズ
トルコ石(ターコイズ) 硬度 5〜6
ラピスラズリ
瑠璃(ラピスラズリ/主成分は青金石) 硬度 5〜5.5
キャッツアイ(ガラス)
キャッツアイガラス(人工、繊維入りガラス) 硬度 約5〜6
テラヘルツ鉱石
人工ケイ素素材(商業名「テラヘルツ鉱石」) 硬度 約6.5(製品により異なる)
フォーダイト
フォーダイト(塗料層の人工素材) 硬度 約2〜3
価値は区分と開示で判断します
合成・人工素材にも技術的、意匠的な価値があります。問題になるのは、素材区分や処理を隠して天然無処理品として販売することです。名称、素材区分、処理、重量、寸法を販売表示と鑑別書で照合します。
鑑別書で確認する箇所
同定結果、鉱物種・変種、天然/合成/人工の別、処理コメント、検査の限界を確認します。産地は通常の同定とは別の検査で、記載されないこともあります。
よくある質問
合成石は偽物ですか?
天然産ではありませんが、天然対応物と本質的に同じ組成・結晶構造を持つ人工結晶です。正しく「合成」と開示されていれば、それ自体は不正な表示ではありません。
天然石なら処理されていませんか?
天然石にも加熱、染色、含浸、充填、照射、コーティングなどが行われる場合があります。天然かどうかと処理の有無は別に確認します。