「1月の誕生石はガーネット」というのは広く知られていますが、実は月によっては、国ごとに誕生石のリストが微妙に異なることがあります。石しるべでは、その理由を紹介します。

誕生石リストは一つではない

現在広く使われている誕生石のリストの多くは、20世紀初頭にアメリカの宝石業界団体が整理したものが元になっていますが、その後、国や時代によって独自の追加・変更が行われてきました。そのため、同じ月でも国によって挙げられる石が異なることがあります。

日本独自の誕生石

日本では、1958年に全国宝石卸商協同組合が独自の誕生石表を発表し、その後も時代に合わせて改定が重ねられてきました。2021年には、10種類の石が新たに追加され、ムーンストーンやモルガナイト、スピネルなどが誕生石表に加わりました。

イギリスの伝統的なリスト

イギリスでは、より古い伝統的なリストが今も一部で使われており、月によってはアメリカや日本のリストと異なる石が挙げられることがあります。国ごとの文化や宝飾業界の歴史が、リストの違いに反映されているのです。

「絶対の正解」はない

誕生石は、国や時代によって変化してきた、比較的新しい文化的な習慣です。どのリストが正しいということはなく、自分が気に入った石を、誕生月の石として楽しむのがよいでしょう。

インドの「ナヴァラトナ」という文化

インドには、月ごとの誕生石とは別に、古代からの占星術に基づき9つの宝石を組み合わせて身につける「ナヴァラトナ(九曜の石)」という伝統があります。惑星ごとに対応する石を組み合わせる考え方で、月ごとの誕生石とはまた違う、石と暦・天体を結びつける文化として知られています。

楽しみ方

同じ月に複数の誕生石が伝わっている場合は、色や由来で好みの石を選んで構いません。国ごとのリストを見比べてみるのも、誕生石を楽しむ新しい視点になります。

旧約聖書に記された12の宝石という起源説

誕生石という考え方の起源には諸説ありますが、有力な説の一つに、旧約聖書の出エジプト記に記された、古代イスラエルの祭司の胸当てに埋め込まれた12種類の宝石があります。この12という数が、後に1年12ヶ月と結びつけられ、月ごとに石を割り当てる発想の源流になったと考えられています。

2021年に加わった10石の内訳

2021年の日本の誕生石表改定では、3月にブラッドストーン、5月にアレキサンドライト、6月にムーンストーン、7月にスフェーン、8月にスピネル、9月にクンツァイト、10月にトルマリン、11月にシトリン、12月にタンザナイトとレインボームーンストーンが、それぞれ既存の石に加えて選択肢として追加されました。約20年ぶりとなるこの改定により、誕生石として楽しめる石の幅が大きく広がりました。

ドイツ・ポーランドなど中欧に伝わる独自リスト

誕生石のリストは英語圏だけのものではなく、ドイツやポーランドなど中欧の国々にも、それぞれ独自の伝統的なリストが伝わっています。同じ月でも国によって挙げられる石の組み合わせが異なるのは、各地域の宝飾文化や入手しやすい石の違いを反映しているためです。

週ごと・星座ごとの「もう一つの誕生石」

月単位の誕生石とは別に、生まれた週や西洋占星術の星座に対応する石を紹介する文化も一部に存在します。誕生月の石だけにとらわれず、こうした別の切り口から石を選ぶ楽しみ方も広がっています。

誕生石が定まっていなかった時代

1912年にアメリカの宝石商協会が公式なリストを定める以前は、誕生石は地域や家系ごとに伝わる、統一されていない言い伝えに近いものでした。公式化によって初めて、国を超えて共通の話題にできる文化として広まっていったのです。

誕生石表の今後の改定可能性

誕生石表は固定された不変のものではなく、新しい宝石の発見や、業界団体の判断によって今後も改定される可能性があります。石の世界は今も少しずつ変化を続けているのです。

誕生石を通じた異文化理解という楽しみ方

誕生石のリストの違いを知ることは、その国の宝飾文化や歴史的背景を知る入り口にもなります。海外旅行の際に、その国の誕生石文化を調べてみるのも新しい楽しみ方です。

誕生石表の改定を主導する団体の役割

日本では全国宝石卸商協同組合、アメリカでは米国宝石商協会が、それぞれ誕生石表の制定・改定を担ってきました。業界団体が主導するという成り立ちを知ると、誕生石が古代からの不変の伝統というより、時代に応じて更新され続けてきた生きた文化であることが実感できます。

誕生石選びに迷ったときの考え方

複数の誕生石から選べる場合、価格帯や好みの色、あるいは物語性に惹かれる石を基準に選んで問題ありません。誕生石は決まりごとというより、自分らしく楽しむための選択肢の一つなのです。

誕生石を巡る各国の祝祭文化

一部の国では、成人の儀式や結婚式で誕生石をあしらった贈り物を贈る慣習があり、単なる装身具を超えて、人生の節目を祝う文化的な儀礼の一部として誕生石が位置づけられています。

誕生石を扱う店舗が果たす教育的な役割

宝飾店の中には、誕生石の由来や国ごとの違いを丁寧に説明するパンフレットを用意しているところもあり、購入の場が同時に石の文化を学ぶ機会にもなっています。

誕生石にまつわる占星術的な結びつき

一部の伝統的な誕生石リストは、単なる月の割り当てだけでなく、古代の占星術における惑星との対応関係を踏まえて選定されたとする説もあり、誕生石の背景には天文学と宝石学が交差する歴史が隠れています。

誕生石を通じた国際交流の広がり

国際結婚や海外留学の機会が増える中、パートナーの国の誕生石文化を知り、互いの文化的背景を尊重し合うという新しい交流の形も生まれています。